平田 治 |
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落ち着いたところで...
三角射法にはかなり平付けが必要です。たとえ三つがけを使用したとしても平付け必須です。 離れについて 龍之口では勝手も手首から肩までは固定されてしまい、かなり自由度がないため、普通に離れても小離れです。逆に現在の均等射法では勝手回りはかなり自由です。射法の細かい良し悪しを考えない場合、三角射法から見ると均等射法は流派や行射法が斜面や正面の違いがどうであれ、引き納めた「会」の形にはそれだけ勝手に自由度があるのだから 小離れは厳禁。という話を聞いても違和感を感じません。
2つの射法を並べてみると 弓を押しながら弦を引くという弓の引き方の本質はどちらも同じではありますが、発想の違いからか少し趣が異なります。 一貫流ではこの射法を行っていた旧時も左右平等に引き分ける事を主張していましたが、的中に大きな影響も無いこと、制御が容易なことを考えると、このアーチェリー方式を取っていた流派があったとしても不思議ではありません。(本当にあったかどうかは今後の研究調査対象になります) |
一貫流保存会の方針
一貫流保存会では現在、均等射法にて日々の練習をおこなっております。三角射法を残さないのか?という疑問はもっともではありますが、保存会の方針は「時代にそぐわない」との事です。私自身は、さて、どの道がよいのでしょう?未だ結論に至っていません。また古流射法を残す事が河毛先生の言葉「古法を強いて励行する頑愚」に相当するものかも、決めかねている現状です。 |
弓具について
現在、弓具店で入手可能なゆがけは均等射法用のものなので、三角射法を本格的に練習するならば、最低でも弦枕の補強個所を少し広げておかないとゆがけを痛めてしまいます。さらに、欲を言うならば、ゆがけの指の形も特注して加減してもらいたいところです。 このように道具という点においても三角射法と均等射法の間には垣根があり、これを強行して古法を固持すべきか、道具とそれに合った射法に変遷していくべきか、私には特に主張も無いのが現状です。 |
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